2023年度新聞広告賞の一次審査員をさせていただきました。
以下はその講評です。
以下はその講評です。
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広告の向こうに人間が見える。
分不相応な役をいただいたからには懸命に審査しようと思った。過去の新聞広告賞を復習し、本年度の応募活動は審査基準と照らし合わせながら何度も見返した。しかし妥当性を追求するほど「それなら人工知能の方が的確な判断をするのではないか?」という疑問が浮かび、悩んだ。人が審査をする以上(というのも不思議な言い回しだ)、「とにかく心に響いた」という属人的で不完全な基準も大切にしようと思った。
A Iと言えば新聞広告大賞を受賞した近畿大学の広告。A Iが生成したという架空の学生のビジュアルが印象的だが、あくまでもそれは表現手段の一つで、企画性や言葉のトーンなど、むしろ人間味を感じる。他にも、茨城新聞社の発想力や大日本除虫菊のサービス精神、宝島社の清々しい怒りに岩手日報社の使命感など、心打たれたものを挙げればキリがない。どれも紙面の向こうに人間が見える。読者を楽しませたいとかこれだけは言わねばという強い思いが見える。
この先、A Iは全貌を誰にも把握されないまま、広告の現場にもますます浸透するのだろう。だからこそ、人間の志のような非科学的なものがより大切になるのだと思う。
分不相応な役をいただいたからには懸命に審査しようと思った。過去の新聞広告賞を復習し、本年度の応募活動は審査基準と照らし合わせながら何度も見返した。しかし妥当性を追求するほど「それなら人工知能の方が的確な判断をするのではないか?」という疑問が浮かび、悩んだ。人が審査をする以上(というのも不思議な言い回しだ)、「とにかく心に響いた」という属人的で不完全な基準も大切にしようと思った。
A Iと言えば新聞広告大賞を受賞した近畿大学の広告。A Iが生成したという架空の学生のビジュアルが印象的だが、あくまでもそれは表現手段の一つで、企画性や言葉のトーンなど、むしろ人間味を感じる。他にも、茨城新聞社の発想力や大日本除虫菊のサービス精神、宝島社の清々しい怒りに岩手日報社の使命感など、心打たれたものを挙げればキリがない。どれも紙面の向こうに人間が見える。読者を楽しませたいとかこれだけは言わねばという強い思いが見える。
この先、A Iは全貌を誰にも把握されないまま、広告の現場にもますます浸透するのだろう。だからこそ、人間の志のような非科学的なものがより大切になるのだと思う。